国宝おめでとうございます

ソドム百二十日がフランスの国宝になるらしいです。めでたいことこの上ない。

 

私とソドムが出会ったきっかけはトラウマ映画特集から。もっと遡るとジョジョメタリカからOne、Oneからジョニーは戦場に行ったに行き着き、そこからのトラウマ映画特集でソドムの市とはじめて出会った。

 

高校近くの図書館には佐藤晴夫訳のソドム百二十日が置いてあったので、時間があるときに気になる部分をチマチマ読んだりしていました。本当は全部通して読みたかったんだけど、そんな時間も気力もなかったので拷問シーンや食糞シーンだけ読んでた。

不思議なことに、色々疲れているとやけにソドム百二十日を読みたくなる病気を患っていのかしんどいときは高校サボって図書館行ってソドム百二十日読んでた。当時の支えの一つだった。

 

私は澁澤龍彦訳ではなく佐藤晴夫訳の方が好きだ。全訳だからってのもあるが、読みやすいのが一番の理由だった。子供に向けているような優しい文体で性的倒錯な文を書き連ねているのがアンバランスで魅力的だった。

 

 

ソドムの市も大好きだ。18歳になってはじめて借りたのがソドムの市である。2年近く我慢した映画ははじめてである。高校を卒業した後の楽しみはソドムの市を見ることだけだったと断言できるほど昔の私はソドムの市に惚れ込んでいた。

当時、映画は見れないがあらすじは知ることはできると好奇心に身を任せソドムの市のネタバレを調べまくっていたのでだいたいのストーリーはわかっていた。うんこを食う。それは確実にわかっていた。しかし、実際に見てみたらそこには私の知らない世界が映し出されていた。想像以上に酷くて下品だった。みんなうんこに気を取られ過ぎてうんこがひどいとのネタバレばかりだったが、実際はうんこなんて可愛らしいもんだった。己の欲望のためなら親を殺すのも苦ではない、従わない者には容赦ない制裁、物扱いされる若者たち。私にはそっちの方が恐ろしかった。見終わったあとは酷く疲れてしまった。あんなに疲れる映画は久しぶりだった。

 

 

ソドム百二十日、ソドムの市の内容を簡潔にあらわすなら「うんこ」であるが、「うんこ」ではないところに真の魅力があると私は思っている。どうか、この作品らを見ようと検討している人がいたら「うんこ」を恐れずに見てほしい。